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poziomkaとポーランドの人々

ポーランドの本を日本語訳で。

先日図書館に行ったら、見たことのあるポーランドの本(もちろん日本語訳ですが)を見つけました。

タイトルは「ライロニア国物語~大人も子どもも楽しめる13のおとぎ話」(原題: 13 BAJEK Z KRÓLESTWA LAILONII DLA DUżYCH I MAłYCH)(国書刊行会・1995年)。
確か、大学生の時か、社会人になってから、やはり図書館で見つけて読んだ覚えがあります。
詳しい内容は覚えていませんでしたが、独特のユーモアにあふれた短編集なので、不思議な読後感はよく覚えていました。

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作者はレシェク・コワコフスキ(Leszek Kołakowski)。夫にこの作者のことを知っているかと聞いたところ、何と哲学者だとのこと!(このことはあとがきにも書かれていました。)

数年のポーランド滞在後に改めてこの本を読んでみると何か違った印象を持つかと思い、再び借りてみることにしました。

作者は哲学者で、この本が書かれたのが1963年であることを念頭に置きながら読んでみると、確かにユーモアの裏に哲学的なものが見え隠れしているように思われました。といっても感覚的な問題なので、ここでは特に詳しくは書きません。

例えば、次のようなお話が収録されています。

2.こぶ
アイヨにできたこぶがどんどん大きくなって、ついにはこぶと本人とでどちらが本物だか分からなくなってしまうという恐ろしげなお話。
自分がこぶではない証拠はどこにあるだろう、と考えたらいい答えが見つからず、更に怖くなってしまいました(^^;)

4.美しい顔
ニノは顔が美しいことで有名だったので、ついには壊れてしまうことを恐れ、顔を箱に入れて持ち歩くようになるというお話。
どんなに美しい顔でも皆に見てもらわなければ意味がないというような教訓が感じられます。

5.ギヨムはどうやって年輩の紳士になったか
ギヨムはまだ若かったが、その街では年輩の紳士でないといい職につけないため、年輩の紳士のシンボルであるひげを伸ばしたり、こうもり傘を持ったりして努力をするお話。
年輩の紳士のシンボルがあれば、若くても年輩の紳士になれてしまうのだろうか、という面白さがあります。若い人はいい職につけない、というところが、今のポーランド社会にもつながるようで、ちょっぴり切ない気がしました。

6.有名な人
タトは有名になりたくて、「世界で一番の~」になる努力をする。その全てが「世界で一番ゆっくり歩く人」などとあまり役に立たないものだったので、別の方法を考え始めるというお話。
「有名」というのは何だろうと考えさせられました。

8.赤いつぎ
エタムのズボンに当てられた赤いつぎが次第に大きくなり、ついにはズボン全体がつぎになってしまい、しかもそのつぎが村中の少年のズボンに伝染していくというお話。
ちょっぴり頭が混乱しそうになるお話です。

9.物たちとの戦争
ある日クレープが大皿から逃げだし、続いて歯みがき粉やインク、ボタンまでもがディットに反抗を始めるというお話。
物に逆らうのは怖いかも・・・?!

13.大いなる恥の話
ムリアという美しい女性に恋したリオが、ある日彼女の目の色を忘れた恥ずかしさで、どんどん小さくなってしまうというお話。
日本人であれば、皆が同じ目の色をしているので、こういう問題は起こらないだろうな、と思いながら読みました。


タイトルにもあるように、全部で13の短編が収録されているので、上記以外のお話でも興味深く読むことができます。
本屋や図書館で見かけたら、是非読んでみてください!

ポーランドに戻ったら、ポーランド語の原書を読んでみたいと思っています。


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by poziomka | 2008-03-01 19:30 | 読書