ポーランドでのちょっとした出来事や読書のことなどを綴っていきます。

by poziomka

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復活祭の日に

昨日(3月23日)は復活祭でした。
日本にいると、復活祭のことなど忘れてしまいそうになるほど、日本では馴染みのない、とても宗教的な行事ですが、今年の復活祭は私達にとって特別な日となりました。

復活祭というのは、亡くなった人の復活を祝い、また新しい命の誕生を象徴する日でもあると私は理解しています。

2007年のクリスマス、私達のもとに天使がやって来てくれました。
結婚5年半、待ちに待った赤ちゃんを授かったのです。
私の両親にも、夫の両親にもすぐに知らせ、私達はとても幸せでした。

そのわずか1か月半後の2月4日。
今度はポーランドから悲しい知らせが飛び込んできました。
夫の父が亡くなったとの知らせでした。75歳でした。ガンが見つかったということはその数か月前に聞かされていたのですが、生まれてくる孫の顔を見るためにも、きっとよくなってくれるものと思っていました。それだけに残念でなりませんでした。しかも、最期の時にそばにいてあげられなかったことも。

さらにそれから1か月後の3月12日。
生まれた時から私のことをとてもかわいがってくれた祖母が亡くなりました。
その10日前に97歳の誕生日を迎え、病院のベッドの上ではありましたが、一緒に誕生日をお祝いしてあげられたことがせめてもの救いだったと思っています。
春の暖かい時に逝きたいと言っていたという祖母。梅が満開になったぽかぽか日和の日の夜、眠るように逝ってしまいました。

私の大切だった二人の死に接し、私達が望んでいた一つの命を授かるためには二人の命を失わなければならなかったのかと悲しく思ったこともありました。
しかし、この二人の死の悲しみを和らげるために私達の赤ちゃんはやって来てくれた、との夫の言葉に、少し気が軽くなりました。

義父にも祖母にも生まれてくる赤ちゃんを抱いて欲しかったという気持ちは今でもありますが、私達の赤ちゃんは義父と祖母の両方に見守られているのだと思うと、とても心強く感じます。

お腹の赤ちゃんももうすぐ6か月になろうとしています。
両家に明るさをもたらしてくれるこの小さな命を、大事に大事に育てていきたいと思います。




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by poziomka | 2008-03-24 12:01 | 日常 | Comments(8)

ポーランドの本再び

先日図書館でポーランドの本を見つけたお話を書きましたが、その時もう一冊ポーランドの本を見つけていました。
そちらはまさに私の専門の方で、小学校低学年向けの児童書です。
タイトルは「ネンディのぼうけん」。

タイトルを見ただけでは「こんな本ポーランドにあったかな~」と思ってしまいましたが、表紙の絵に何やら見覚えがあります(日本語版は「ぐりとぐら」で有名な山脇百合子さんの挿絵でしたが)。
夫がのぞきこんで一言。
「Plastuś(プラストゥシ)!」

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そうです。それは「おやすみ、くまちゃん」と並んで有名なポーランドの児童書、「Plastusiowy pamiętnik(原題:ネンディの日記)」だったのです。作者は有名な児童文学作家マリア・コヴナツカ(Maria Kownacka(1894~1982))です。

Plastuśは主人公の小学一年生の女の子、トーシャが粘土で作ったお人形で、トーシャの筆箱の中に、ネズミの形をした消しゴムや鉛筆、万年筆などと一緒に暮らしています。そんなトーシャやその友達と、Plastuśやその仲間たちの学校や家での小さなお話がたくさん詰まっている本です。

私がこの翻訳ですごい!と思ったのは、タイトルです。正確には、主人公のPlastuśの名前です。ポーランド語でも「Plastuś」などという単語はありません。「plastelina(粘土)」という単語からできた造語です。翻訳した内田莉莎子先生もそれをお考えになって、「粘土」という単語から「ネンディ」という名前を生み出されたのだと思います。

将来児童書を翻訳していこうと考えている私にとって、この名前の翻訳を見ただけでも、この本を図書館で見つけられてよかったなと思います。

ちなみにこの本は、1936年にポーランドで出版され、内田先生が翻訳されたのが1976年。既にポーランドでの出版から40年経っていたわけです。そして私がこの翻訳版を手にとったのが2008年ですから、さらに年月が過ぎています。それにもかかわらず、小学生の学校生活の様子は、今でも共感できるところもあり、とても楽しく読めました。

残念ながらこの日本語版は今は絶版になっていて、書店で見つけることはできませんが、図書館でもし見つけられたら、是非手にとってみてください。「おやすみ、クマちゃん」が気に入られた方なら、この本もきっと気に入られるはずです(^^)



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by poziomka | 2008-03-12 18:52 | 読書 | Comments(2)
先日図書館に行ったら、見たことのあるポーランドの本(もちろん日本語訳ですが)を見つけました。

タイトルは「ライロニア国物語~大人も子どもも楽しめる13のおとぎ話」(原題: 13 BAJEK Z KRÓLESTWA LAILONII DLA DUżYCH I MAłYCH)(国書刊行会・1995年)。
確か、大学生の時か、社会人になってから、やはり図書館で見つけて読んだ覚えがあります。
詳しい内容は覚えていませんでしたが、独特のユーモアにあふれた短編集なので、不思議な読後感はよく覚えていました。

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作者はレシェク・コワコフスキ(Leszek Kołakowski)。夫にこの作者のことを知っているかと聞いたところ、何と哲学者だとのこと!(このことはあとがきにも書かれていました。)

数年のポーランド滞在後に改めてこの本を読んでみると何か違った印象を持つかと思い、再び借りてみることにしました。

作者は哲学者で、この本が書かれたのが1963年であることを念頭に置きながら読んでみると、確かにユーモアの裏に哲学的なものが見え隠れしているように思われました。といっても感覚的な問題なので、ここでは特に詳しくは書きません。

例えば、次のようなお話が収録されています。

2.こぶ
アイヨにできたこぶがどんどん大きくなって、ついにはこぶと本人とでどちらが本物だか分からなくなってしまうという恐ろしげなお話。
自分がこぶではない証拠はどこにあるだろう、と考えたらいい答えが見つからず、更に怖くなってしまいました(^^;)

4.美しい顔
ニノは顔が美しいことで有名だったので、ついには壊れてしまうことを恐れ、顔を箱に入れて持ち歩くようになるというお話。
どんなに美しい顔でも皆に見てもらわなければ意味がないというような教訓が感じられます。

5.ギヨムはどうやって年輩の紳士になったか
ギヨムはまだ若かったが、その街では年輩の紳士でないといい職につけないため、年輩の紳士のシンボルであるひげを伸ばしたり、こうもり傘を持ったりして努力をするお話。
年輩の紳士のシンボルがあれば、若くても年輩の紳士になれてしまうのだろうか、という面白さがあります。若い人はいい職につけない、というところが、今のポーランド社会にもつながるようで、ちょっぴり切ない気がしました。

6.有名な人
タトは有名になりたくて、「世界で一番の~」になる努力をする。その全てが「世界で一番ゆっくり歩く人」などとあまり役に立たないものだったので、別の方法を考え始めるというお話。
「有名」というのは何だろうと考えさせられました。

8.赤いつぎ
エタムのズボンに当てられた赤いつぎが次第に大きくなり、ついにはズボン全体がつぎになってしまい、しかもそのつぎが村中の少年のズボンに伝染していくというお話。
ちょっぴり頭が混乱しそうになるお話です。

9.物たちとの戦争
ある日クレープが大皿から逃げだし、続いて歯みがき粉やインク、ボタンまでもがディットに反抗を始めるというお話。
物に逆らうのは怖いかも・・・?!

13.大いなる恥の話
ムリアという美しい女性に恋したリオが、ある日彼女の目の色を忘れた恥ずかしさで、どんどん小さくなってしまうというお話。
日本人であれば、皆が同じ目の色をしているので、こういう問題は起こらないだろうな、と思いながら読みました。


タイトルにもあるように、全部で13の短編が収録されているので、上記以外のお話でも興味深く読むことができます。
本屋や図書館で見かけたら、是非読んでみてください!

ポーランドに戻ったら、ポーランド語の原書を読んでみたいと思っています。


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by poziomka | 2008-03-01 19:30 | 読書 | Comments(6)