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カテゴリ:読書( 4 )

ポーランドの本再び

先日図書館でポーランドの本を見つけたお話を書きましたが、その時もう一冊ポーランドの本を見つけていました。
そちらはまさに私の専門の方で、小学校低学年向けの児童書です。
タイトルは「ネンディのぼうけん」。

タイトルを見ただけでは「こんな本ポーランドにあったかな~」と思ってしまいましたが、表紙の絵に何やら見覚えがあります(日本語版は「ぐりとぐら」で有名な山脇百合子さんの挿絵でしたが)。
夫がのぞきこんで一言。
「Plastuś(プラストゥシ)!」

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そうです。それは「おやすみ、くまちゃん」と並んで有名なポーランドの児童書、「Plastusiowy pamiętnik(原題:ネンディの日記)」だったのです。作者は有名な児童文学作家マリア・コヴナツカ(Maria Kownacka(1894~1982))です。

Plastuśは主人公の小学一年生の女の子、トーシャが粘土で作ったお人形で、トーシャの筆箱の中に、ネズミの形をした消しゴムや鉛筆、万年筆などと一緒に暮らしています。そんなトーシャやその友達と、Plastuśやその仲間たちの学校や家での小さなお話がたくさん詰まっている本です。

私がこの翻訳ですごい!と思ったのは、タイトルです。正確には、主人公のPlastuśの名前です。ポーランド語でも「Plastuś」などという単語はありません。「plastelina(粘土)」という単語からできた造語です。翻訳した内田莉莎子先生もそれをお考えになって、「粘土」という単語から「ネンディ」という名前を生み出されたのだと思います。

将来児童書を翻訳していこうと考えている私にとって、この名前の翻訳を見ただけでも、この本を図書館で見つけられてよかったなと思います。

ちなみにこの本は、1936年にポーランドで出版され、内田先生が翻訳されたのが1976年。既にポーランドでの出版から40年経っていたわけです。そして私がこの翻訳版を手にとったのが2008年ですから、さらに年月が過ぎています。それにもかかわらず、小学生の学校生活の様子は、今でも共感できるところもあり、とても楽しく読めました。

残念ながらこの日本語版は今は絶版になっていて、書店で見つけることはできませんが、図書館でもし見つけられたら、是非手にとってみてください。「おやすみ、クマちゃん」が気に入られた方なら、この本もきっと気に入られるはずです(^^)



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by poziomka | 2008-03-12 18:52 | 読書 | Comments(2)

ポーランドの本を日本語訳で。

先日図書館に行ったら、見たことのあるポーランドの本(もちろん日本語訳ですが)を見つけました。

タイトルは「ライロニア国物語~大人も子どもも楽しめる13のおとぎ話」(原題: 13 BAJEK Z KRÓLESTWA LAILONII DLA DUżYCH I MAłYCH)(国書刊行会・1995年)。
確か、大学生の時か、社会人になってから、やはり図書館で見つけて読んだ覚えがあります。
詳しい内容は覚えていませんでしたが、独特のユーモアにあふれた短編集なので、不思議な読後感はよく覚えていました。

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作者はレシェク・コワコフスキ(Leszek Kołakowski)。夫にこの作者のことを知っているかと聞いたところ、何と哲学者だとのこと!(このことはあとがきにも書かれていました。)

数年のポーランド滞在後に改めてこの本を読んでみると何か違った印象を持つかと思い、再び借りてみることにしました。

作者は哲学者で、この本が書かれたのが1963年であることを念頭に置きながら読んでみると、確かにユーモアの裏に哲学的なものが見え隠れしているように思われました。といっても感覚的な問題なので、ここでは特に詳しくは書きません。

例えば、次のようなお話が収録されています。

2.こぶ
アイヨにできたこぶがどんどん大きくなって、ついにはこぶと本人とでどちらが本物だか分からなくなってしまうという恐ろしげなお話。
自分がこぶではない証拠はどこにあるだろう、と考えたらいい答えが見つからず、更に怖くなってしまいました(^^;)

4.美しい顔
ニノは顔が美しいことで有名だったので、ついには壊れてしまうことを恐れ、顔を箱に入れて持ち歩くようになるというお話。
どんなに美しい顔でも皆に見てもらわなければ意味がないというような教訓が感じられます。

5.ギヨムはどうやって年輩の紳士になったか
ギヨムはまだ若かったが、その街では年輩の紳士でないといい職につけないため、年輩の紳士のシンボルであるひげを伸ばしたり、こうもり傘を持ったりして努力をするお話。
年輩の紳士のシンボルがあれば、若くても年輩の紳士になれてしまうのだろうか、という面白さがあります。若い人はいい職につけない、というところが、今のポーランド社会にもつながるようで、ちょっぴり切ない気がしました。

6.有名な人
タトは有名になりたくて、「世界で一番の~」になる努力をする。その全てが「世界で一番ゆっくり歩く人」などとあまり役に立たないものだったので、別の方法を考え始めるというお話。
「有名」というのは何だろうと考えさせられました。

8.赤いつぎ
エタムのズボンに当てられた赤いつぎが次第に大きくなり、ついにはズボン全体がつぎになってしまい、しかもそのつぎが村中の少年のズボンに伝染していくというお話。
ちょっぴり頭が混乱しそうになるお話です。

9.物たちとの戦争
ある日クレープが大皿から逃げだし、続いて歯みがき粉やインク、ボタンまでもがディットに反抗を始めるというお話。
物に逆らうのは怖いかも・・・?!

13.大いなる恥の話
ムリアという美しい女性に恋したリオが、ある日彼女の目の色を忘れた恥ずかしさで、どんどん小さくなってしまうというお話。
日本人であれば、皆が同じ目の色をしているので、こういう問題は起こらないだろうな、と思いながら読みました。


タイトルにもあるように、全部で13の短編が収録されているので、上記以外のお話でも興味深く読むことができます。
本屋や図書館で見かけたら、是非読んでみてください!

ポーランドに戻ったら、ポーランド語の原書を読んでみたいと思っています。


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by poziomka | 2008-03-01 19:30 | 読書 | Comments(6)

ハリーポッターシリーズ

ブログ紹介のところに「読書のことなど綴っていきます」と書いたのに、全く読書のことを書いていませんでした(^^;)
ポーランドの児童書については本編であるホームページの方にアップしていきたいので、このブログではそれ以外の読書について時々書いていこうと思います。

今日は日本でも有名な「ハリーポッターシリーズ」について。

ハリーポッターの1冊目を読んだのはまだ日本にいた頃でした。
実はあまり読む気はなかったのですが、新聞で「翻訳がとてもいい」と書かれていたので、「翻訳の勉強に」と思い、日本語版と英語版を両方購入し、読みました。面白かったのですが、2冊目も絶対読もうとは思いませんでした。

ポーランドに来てからハリーポッターの映画第1作目が公開され、見に行きました。ポーランドでは子供向けの映画は全てポーランド語吹き替えなので、セリフは全てポーランド語でした。耳から英語を聞いてポーランド語の字幕を読む、という器用なことはできなかったので、これは私にとって好都合でした。映画のセリフを全て聞き取ることはできませんでしたが、原作を読んでいたので話の筋が分かり、楽しめました。

その後、映画の2作目があることを知ると、それも見に行きたくなり、より理解するためには原作を読んでおいた方が良いと思い、2冊目を読むことにしました。今度はポーランド語で。映画が吹き替えなので、ポーランド語版を読んでおいた方が映画も理解しやすいと思ったのです。それに、ポーランド語の勉強になるとも思ったので。

しかし、のんびり読んでいたら、映画公開までに2冊目を全部読み終えることができず、半分くらい読んだ時点で映画を見に行きました。すると、案の定疑問点が浮上・・・。その後2冊目を最後まで読んだことは言うまでもありません。

さて、映画3作目が公開されることを知り、3冊目を手に取りました。しかし、ポーランド作家の別の本に気が行っていたので、結局第1章分しか読み終わらずに映画を先に見に行ってしまいました。後で様々な評論を読んだりして分かったことですが、この3作目あたりから原作が長くなってきたので映画で多くが削られているとのこと!映画自体は楽しめましたが、やはり、原作がどうなっているのか知りたくて、映画の場面を思い出しながら本を読みました。原作の方が絶対面白い!と思えたのはこの3冊目が初めてです。

そして最近映画4作目が公開されました。私は行く予定ですがまだ行っていません。今回はかなり早くから4冊目を読み始めていたので、途中息切れしたものの、映画に行く前に読み終わることができました!私が本を読みながらイメージした場面がどのように映像化されているのか楽しみです。

さて、ハリーポッターシリーズを4冊読んで思ったことですが、これを児童書の部類に入れていいのだろうか、ということです。ハリーポッターの世界をイメージした時に私が思い浮かべる色は「黒」です。それだけ暗い世界に思えるのです。
確かに「善対悪」という図式は児童書の中でよく出てくるモチーフだと思います。しかし、大人の魔法使いが十代の少年を相手に「殺し合い」をするというのは子供に読ませるにはふさわしくないのではないかと思ってしまいます。
様々なところで目にしたので書いてしまいますが、4冊目では同じ学校のハリーの友達が殺されてしまいます。私が読んでもショックだったので、簡単に感情移入しやすい子供たちはどんなにショックを受けるだろうかと思いました。
今回の映画4作目で初めて年齢制限がついたと聞きました。ハリーポッターの次の映画を、次の巻を楽しみにしている子供たちがたくさんいる中でこのような処置をしなければならなかった映画会社関連の方々も困惑しただろうと思います。最初から「児童書」として売り出すのだったら、最後まで「児童書」としての要素だけを散りばめて欲しかったなと思えてなりません。
一方で、もし完全な児童書だったら、これだけの社会現象にはならなかったのかな、とも思ってしまうのですが・・・。

最後に、ポーランド語の翻訳についてですが、作者の考え出した造語もポーランド語でうまく訳されていて面白いなと思います。そのような造語については巻末に原語と共に説明書きがあるので分かりやすいです。特に私なんか、「知らない単語だな~」と思って様々な辞書を引いてもなかったりすると、巻末に載っていたりするのですが・・・。
それにしても、日本語版では4冊目から2巻組みになっているようですが、ポーランド語版は英語版同様1冊に収めてあります。ちなみに、4冊目は約750ページ、まだ読んでいない5冊目に至っては約950ページなので、本を持つ手も疲れるくらい読むのが大変です(^^;)
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by poziomka | 2005-12-05 23:48 | 読書 | Comments(2)

リンクの話

このブログの右下のリンクの欄に「ポーランド関係書籍・DVD」という項目を作りました。
これまでに私が見たり読んだりした中から、是非皆様にも見て頂きたい、読んで頂きたいと思うものをリンクしていきたいと思っています。

ご存知の方も多いと思いますが、この中にある「天の涯まで」は漫画です。漫画なので完全なノンフィクションではないのですが、ポーランドが分割された激動の時代を知る上では一度読んでみるのもいいのではと思っています。

ところで、この「天の涯まで」はポーランドでポーランド語版が出されています。タイトルは「Aż do nieba」です。日本語タイトルそのままの翻訳ですが。私も持っていますが、やはり登場人物であるポーランド人がポーランド語を話すという点で、より雰囲気のある漫画に仕上がっているような気がします。

私がこの「天の涯まで」と出会ったのは、大学生の時に入っていた部の部室でした。ずっと前の先輩が置いていったのであろうこの漫画が部室の隅にほこりをかぶって置かれていたのです。大掃除の時にそれを見つけ、もらってきたのでした。
そして、ポーランド語版と出会ったのは、卒業旅行で来たクラクフの日本美術・技術センター「Manggha(マンガ)」(http://www.manggha.krakow.pl/)の売店でした。その時「あっ・・・!」と思ったのですが、手に取っただけで買いはしませんでした。しかし日本に帰ってから後悔しました。せっかくのポーランド語版、面白そうだったのに・・・と。
再びポーランドに来て、住み始めてからインターネットで見つけ、今度は逃すまい、と買ったのでした。5年越しの買い物でしたね(^^;)

今はもっといろいろなマンガがポーランド語に翻訳されてポーランドで売られていますが、ポーランド語版をすごく買いたい!と思ったのは後にも先にもこのマンガだけでした。機会があったら是非このポーランド語版も日本の皆さんに読んで頂きたいなと思います。
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by poziomka | 2005-08-25 01:46 | 読書 | Comments(8)


ポーランドでのちょっとした出来事や読書のことなどを綴っていきます。


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↓ こちらは彼のポーランド語のブログ。
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