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ショパンコンクール終了

10月18日から4日間にわたって行われていたショパンコンクール本選が昨日(21日)終わりました。
1日3人ずつで、オーケストラをバックにピアノ協奏曲を弾くのが課題でした。その課題曲も
1.ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 op.11
2.ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 op.21
の2曲から選ぶもので、たった2人(31番Mr Dong Hyek Limさん(韓国)と44番根津理恵子さん)だけが2の方を選び、残りの10人は1の方だったので、1の曲は覚えるほど聴いてしまいました。
毎回同じ曲を聴いているとやはり違いは分かってくるもので、技術的には分かりませんでしたが、この人の弾き方の方が耳に心地よい、とか、引き込まれてしまう、とか思いながら聴いていました。(残念ながら55番の関本さんの演奏は聴けませんでした・・・)

私が良かったと思ったのは以下の演奏です。
5 Pan Rafał Blechacz  Polska
29 Ms Ka Ling Colleen Lee  Chiny-Hong Kong
31 Mr Dong Hyek Lim  Korea Płd.
32 Mr Dong Min Lim  Korea Płd.
44 Ms Rieko Nezu  Japonia
75 Mr Takashi Yamamoto  Japonia

5番のラファウ・ブレハッチは本選の最後を飾る演奏をしたのですが、ショパンは本当にこのように演奏をしていたのではないか、と思わせるような素晴らしい演奏で、曲が終わる前から拍手の嵐でいつまでもいつまでも鳴り止みませんでした。
以前にも書きましたが、この繊細さと情熱を併せ持つ演奏がやはりショパンの曲にはぴったりなのだと思わされました。

夜11時から結果発表をテレビで中継するというので、起きて待っていたのですが、なかなか始まらず、11時半になってスタジオの方が「あと60分ほどで結果が出るようです」と話をされ、え~?!と思いながらもやはり生で見たくてテレビをつけたまま待っていました。
そして夜12時40分を過ぎた頃、ようやく審査員の方々が登場し、やっと結果発表となりました。
まず、特別賞3つが発表されました。
1.フレデリック・ショパン協会から「最優秀ポロネーズ賞」
5 Pan Rafał Blechacz  Polska

2.ポーランドラジオから「最優秀マズルカ賞」
5 Pan Rafał Blechacz  Polska

3.ポーランド国立フィルハーモニーから「最優秀協奏曲賞」
5 Pan Rafał Blechacz  Polska

3つともブレハッチさんが獲得し、会場からはどよめきが起こります。

続いて7位以下の発表がありました。同列なので、アルファベット順です。
25 Pan Jacek Kortus  Polska
27 Ms Rachel Naomi Kudo  USA
44 Ms Rieko Nezu  Japonia
46 Ms Yuma Osaki  Japonia
58 Ms Yeol Eum Son  Korea Płd.
78 Mr Andrey Yaroshinskiy  Rosja
(発表した方が緊張したのか、58番の韓国人の女の子の名前を呼ぶのを忘れるというハプニングがありました。)

そして、いよいよ6位から発表です。
6位 29 Ms Ka Ling Colleen Lee  Chiny-Hong Kong
5位 該当者なし
4位 55 Mr Shohei Sekimoto  Japonia
   75 Mr Takashi Yamamoto  Japonia
3位 31 Mr Dong Hyek Lim  Korea Płd.
   32 Mr Dong Min Lim  Korea Płd.
2位 該当者なし

ここまで聞いて、もう1位は誰もが分かったようで、会場もどよめき始めました。そして、
1位 5 Pan Rafał Blechacz  Polska

歓声が上がり、一斉にカメラのフラッシュがたかれました。
1975年のツィメルマン以来30年ぶりのポーランド人優勝者の誕生の瞬間でした。

2位の該当者がいなかったということは、それだけブレハッチさんの演奏が飛びぬけて素晴らしかったということでしょう。
途中のスタジオのコメントでも、「審査の方は2位以下でもめているようです」と入りました。韓国人兄弟をそろって2位にするか、どちらかを2位にするか、それともどちらも3位にするかというのが問題だったのかもしれません。
(ちなみに、発表はポーランド語と英語と両方で行われるのですが、発表者の方が混乱してしまったのか、英語で「South Korea」と言うべきところを「Korea Południowa」と言ってしまい、笑いが起こるという場面もありました。しかも「Korea」の発音は英語だったので^^;)

こうして10月3日から始まったショパンコンクールの日々は終わりました。今日22日に入賞者のコンサートが行われ、幕を閉じます。
テレビではありましたが、毎日ショパンコンクールを見て、聴いて、感じることができたのはとても良かったと思います。いつか、この受賞者達の演奏を生で聞いてみたいと思いました。
Commented by andrzej15 at 2005-10-23 12:02
ショパンコンクール、終りましたね。友美さんのおかげで、今回初めてコンクール最中の熱気を僅かですがリアルタイムで感じることが出来ました。回線が切れて見えにくかったですが、一次予選のライブも時々見ましたし、TVPのビデオをクリックして、現地のニュースを見て楽しみました。言葉は分かりませんが、関係者やお客さんの熱気も伝わりますね。
ブレハッチさんの演奏も切れ切れですが聴けましたよ。独特の雰囲気の青年ですね。手の動きが魔法みたいで・・・
 元々クラシックはあまり関心がなく、ショパンもよく知りませんでしたが、回線が切れながらも、美しい音色に心奪われてしまいました。なんと美しい世界・・・ショパンのCDを買ってこようかと思ってます。ここに紹介しておられる以外ねにも、お薦めのCD、ピアニストなどがありましたらまた是非教えてください。
Commented by poziomka at 2005-10-24 04:34
フデさん、
毎日楽しみに見ていたショパンコンクールが終わってしまい、何だか気が抜けてしまったような気がします。
今日出かけたついでにCDも売っているお店に行ってみました。優勝したブレハッチさんのCDが山積みになっているかと思いきや・・・ショパンの「ショ」の字も見当たらないような感じで、何もありませんでした(^^;)日本だったらすぐにどーんと売り出すところでしょうが・・・。

私は「ショパン」と言ったらやはり中村紘子さんの演奏が好きなのですが、他にもルービンシュタインのショパンはいいですね~。
ブレハッチさんの新しいCDも21日(?)に日本で発売されたようです。どんなCDか分かりませんが、ピアニストとしてお勧めです(^^)
また何かいいのを見つけたらご紹介しますね。
Commented by sweet-buchan at 2005-11-05 13:11
つい最近、ショパンコンクールを追ったニュース番組の特集をみました。
最年少で挑戦した、生まれつき目の不自由な辻さんという方です。
滞在先のホテルに、練習用のピアノを持ち込んで、お母さんと東京芸大の先生と一緒に泊り込んでいました。
ピアノも日本から持ってきたのかしら???

コンクールの予選ではKawaiのピアノを使っていましたね。
2次予選の時のピアノは違いましたが、スポンサーがピアノを提供するのかな?弾く方としては、ピアノがころころ変わったらやりにくいでしょうね。

私も友美さんのブログを読んでいたので、その特集も興味深かったです。でも優勝者の方の演奏も聴きたかったのですが、そこは割愛されてて残念。いつか生で聴いてみたいな~
Commented by poziomka at 2005-11-08 00:52
buchanさん、
ショパンコンクールは毎日見ていたはずなのですが、なぜか辻井さんのところは見逃していました・・・。確か特別賞か何かをもらっていたような・・・?
とても素晴らしい演奏で、なぜ本選に行けなかったか不思議だ、というようなことをポーランドのコメンテーターの方々がおっしゃっていました。インターネットでまだ見られそうなので、今度探して聞いてみたいです。

コンクールのピアノは自分で選べるみたいですよ。演奏者によってどんどんピアノが変えられていました。大体ヨーロッパ人はスタインウェイ、日本人はヤマハやカワイでしたね。

優勝したブレハッチさんの演奏もきっとまだインターネットで見られると思うので、見てみては?これがリンクです。
http://www.itvp.pl/chopin/i.tvp/
左の下から5番目(cz 13と書いてあるところ)の写真はブレハッチさんなので絶対聞けるはずです。あとは多分右の一番下(cz 22)がそうかな。本選で最後に演奏していましたから。
by poziomka | 2005-10-22 18:01 | ショパンコンクール | Comments(4)